アバターの最適化(ポリゴン数, マテリアル数, Quest対応)

アバターの最適化(ポリゴン数, マテリアル数, Quest対応)

VRChatで快適に使えるアバターを作るために必要な最適化のコツを解説。ポリゴン数やマテリアル数の目安、Quest対応のポイントまで、初心者にも分かりやすく丁寧に紹介します。

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アバターの最適化とは?

軽くて快適、それでいて魅力的なアバターにする工夫
VRChatでアバターを使うなら、見た目だけでなく「中身の軽さ」も大切。
「最適化」とは、アバターをできるだけ軽く処理できるように調整することを指します。

 

これは、あなた自身だけでなく、周囲のプレイヤーの快適さにも大きく関わります。
特に、Quest対応を目指すなら必須の知識です。

 

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最適化の3本柱

① ポリゴン数(=メッシュの細かさ)
簡単に言えば、アバターの"形の複雑さ"。

 

ポリゴン数が多いほど滑らかに見えますが、計算量も多くなります。
VRChatでは以下が目安です:

 

使用環境 推奨ポリゴン数(Triangle)
PC用 70,000以下(上限32万未満)
Quest用 7,500~10,000以下
ポイント:

・髪の毛やまつ毛などにポリゴンが集中している場合が多い。

 

・不要な裏面(背面ポリゴン)や見えない部分は削除しよう。

 

・Unity上でも「Mesh Simplify」などで簡略化できる。

 

② マテリアル数(=質感の種類)
・マテリアルは、アバターに貼る「化粧」みたいなもの。

 

ひとつのアバターに対して、マテリアルの数が多すぎると描画の負荷が跳ね上がります。

使用環境 推奨マテリアル数
PC用 4~8個以下
Quest用 1~2個までが理想
ポイント:

・「1パーツ1マテリアル」ではなく、複数を統合(テクスチャアトラス化)するのがコツ。

 

・不要な透過素材(Alpha)やEmission(発光)を整理すると軽くなる。

 

③ Quest対応(=軽量版の作成)
Meta Questユーザーに見せるには、制限に合わせた「別バージョン」を作成する必要があります。

 

Questはスタンドアロン型なので、PCほど処理能力が高くありません。
そのため、アバターも「スマホ並みに軽く作る」必要があります。

項目 Questでの目安(例)
ポリゴン数 10,000以下
マテリアル数 1~2個
テクスチャサイズ 1024px以下
ダイナミックボーン 非対応(物理揺れは使えない)
Shader VRChatが許可したもの(ToonLit等)
補足:

Unity上で"Android"向けにビルド設定を分けて、PC版とQuest版をそれぞれアップロードします。
この切り替えをうまく使えば、1つのアバターで両方に対応可能です。

 

ちょっとしたコツで最適化がうまくいく!

問題になりがちな箇所 解決のヒント
髪やスカートがやたら重い ポリゴン簡略化+揺れ物削除
テクスチャの読み込みが遅い サイズを2048px → 1024pxへ縮小
同じ色のマテリアルが複数ある ひとつにまとめて最適化
表情が重すぎる 使用頻度の低いブレンドシェイプを削除
Shaderが原因でQuestに対応できない Quest対応の標準Shaderに差し替え(ToonLit推奨)

よく使われる最適化ツール

 

ツール名 用途 特徴
Unity Profiler 最適化確認 ゲーム全体の負荷確認ができる
Polygon Reducer ポリゴン削減 無料/有料アセット両方あり
TexturePackerやアトラス作成ツール マテリアル削減 複数テクスチャを1枚に統合
Avatar Optimizer (Editor拡張) 自動最適化 マテリアル結合や無駄削除を自動化できる
最適化すると、こんなに嬉しい!

・他のユーザーの描画負荷が軽くなる → クラッシュ回避、ラグ軽減

 

Questユーザーにも見せられる → 交流の幅が広がる

 

・自分の動作も軽くなり、表情切り替えやアニメーションが滑らかに

 

・ワールドの参加条件(「Medium以下のみ」など)をクリアできる

 

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まとめ:軽さも個性のひとつ!

「かっこよさ」「かわいさ」だけでなく、“軽さ”もアバターの魅力の一部です。
最適化されたアバターは、どんな環境でも、どんな相手にも愛される存在になれます。

 

自分の表現を、より多くの人に届けるために。
最適化というメイクアップ、今日から始めてみませんか?