軽くて快適、それでいて魅力的なアバターにする工夫
VRChatでアバターを使うなら、見た目だけでなく「中身の軽さ」も大切。
「最適化」とは、アバターをできるだけ軽く処理できるように調整することを指します。
これは、あなた自身だけでなく、周囲のプレイヤーの快適さにも大きく関わります。
特に、Quest対応を目指すなら必須の知識です。
① ポリゴン数(=メッシュの細かさ)
簡単に言えば、アバターの"形の複雑さ"。
ポリゴン数が多いほど滑らかに見えますが、計算量も多くなります。
VRChatでは以下が目安です:
使用環境 | 推奨ポリゴン数(Triangle) |
---|---|
PC用 | 70,000以下(上限32万未満) |
Quest用 | 7,500~10,000以下 |
・髪の毛やまつ毛などにポリゴンが集中している場合が多い。
・不要な裏面(背面ポリゴン)や見えない部分は削除しよう。
・Unity上でも「Mesh Simplify」などで簡略化できる。
② マテリアル数(=質感の種類)
・マテリアルは、アバターに貼る「化粧」みたいなもの。
ひとつのアバターに対して、マテリアルの数が多すぎると描画の負荷が跳ね上がります。
使用環境 | 推奨マテリアル数 |
---|---|
PC用 | 4~8個以下 |
Quest用 | 1~2個までが理想 |
・「1パーツ1マテリアル」ではなく、複数を統合(テクスチャアトラス化)するのがコツ。
・不要な透過素材(Alpha)やEmission(発光)を整理すると軽くなる。
③ Quest対応(=軽量版の作成)
Meta Questユーザーに見せるには、制限に合わせた「別バージョン」を作成する必要があります。
Questはスタンドアロン型なので、PCほど処理能力が高くありません。
そのため、アバターも「スマホ並みに軽く作る」必要があります。
項目 | Questでの目安(例) |
---|---|
ポリゴン数 | 10,000以下 |
マテリアル数 | 1~2個 |
テクスチャサイズ | 1024px以下 |
ダイナミックボーン | 非対応(物理揺れは使えない) |
Shader | VRChatが許可したもの(ToonLit等) |
Unity上で"Android"向けにビルド設定を分けて、PC版とQuest版をそれぞれアップロードします。
この切り替えをうまく使えば、1つのアバターで両方に対応可能です。
ちょっとしたコツで最適化がうまくいく!
問題になりがちな箇所 | 解決のヒント |
---|---|
髪やスカートがやたら重い | ポリゴン簡略化+揺れ物削除 |
テクスチャの読み込みが遅い | サイズを2048px → 1024pxへ縮小 |
同じ色のマテリアルが複数ある | ひとつにまとめて最適化 |
表情が重すぎる | 使用頻度の低いブレンドシェイプを削除 |
Shaderが原因でQuestに対応できない | Quest対応の標準Shaderに差し替え(ToonLit推奨) |
よく使われる最適化ツール
ツール名 | 用途 | 特徴 |
---|---|---|
Unity Profiler | 最適化確認 | ゲーム全体の負荷確認ができる |
Polygon Reducer | ポリゴン削減 | 無料/有料アセット両方あり |
TexturePackerやアトラス作成ツール | マテリアル削減 | 複数テクスチャを1枚に統合 |
Avatar Optimizer (Editor拡張) | 自動最適化 | マテリアル結合や無駄削除を自動化できる |
・他のユーザーの描画負荷が軽くなる → クラッシュ回避、ラグ軽減
・Questユーザーにも見せられる → 交流の幅が広がる
・自分の動作も軽くなり、表情切り替えやアニメーションが滑らかに
・ワールドの参加条件(「Medium以下のみ」など)をクリアできる
「かっこよさ」「かわいさ」だけでなく、“軽さ”もアバターの魅力の一部です。
最適化されたアバターは、どんな環境でも、どんな相手にも愛される存在になれます。
自分の表現を、より多くの人に届けるために。
最適化というメイクアップ、今日から始めてみませんか?