VRChatの物理演算を使ったアバター表現（Dynamic Bones, PhysBones）

VRChatの物理演算を使ったアバター表現とは？

～髪が揺れ、服がひらめく。命を吹き込む「リアルな動き」～

VRChatの世界では、自分の分身となるアバターを自由にカスタマイズできますが、その中でも「髪の毛」や「スカート」「尻尾」などが自然に揺れる表現は、キャラクターに命を感じさせる大切な要素です。これを実現しているのが、「Dynamic Bones」や「PhysBones」と呼ばれる物理演算機能です

Dynamic Bonesは、VRChatで長年使われてきた物理演算の定番ツールです。
アバターの特定の部位（髪の先端やアクセサリーなど）に設定することで、「重さ」や「弾力」「ばねの強さ」などを細かく調整し、まるで本当に風を受けたり体の動きに合わせて揺れるような動作を生み出せます。

特徴：

・シンプルな設定で導入しやすい
・広く使われていて情報が多い
・ただしパフォーマンスに負担がかかりやすい

PhysBonesは、VRChatが公式に提供している新しい物理演算機能です。Dynamic Bonesの後継とも言える存在で、最適化された設計により、より高いパフォーマンスとリアルな動きを両立しています。

特徴：

・VRChat公式サポートで今後の主流
・PCだけでなくQuestにも対応
・設定できる項目が多く、制御も細かく可能

たとえばポニーテールのアバターなら、歩くとふわっと揺れ、ジャンプすると空中で遅れてついてくるような動きが加わります。あるいはロングコートの裾が風を受けてはためいたり、ネコ耳がピョコピョコとリアクションしたりと、キャラクターの個性を引き立てる表現が自在になります。

なぜ重要なの？

静止したアバターは「デジタルの人形」です。でも、自然に揺れ動くことで、まるでそこに本当に生きているような感覚を与えることができます。
メタバースでの「存在感」や「没入感」を高めるために、物理演算は欠かせない表現技術なのです。

・PhysBonesを基本にしつつ、古いアバターにはDynamic Bonesも考慮
・ゆれすぎないように「ダンピング（減衰）」設定を活用
・「動きのリアルさ」よりも「キャラクターらしさ」を優先してチューニング

最後に

物理演算は設定が難しそうに見えますが、最初は小さな動きから始めてみると楽しくなってきます。
「揺れ」は、アバターに感情を宿す表現です。
あなたのアバターも、風に髪がそよぐ瞬間から一歩、リアルな「もう一人の自分」に近づくかもしれません。